米国のガス採掘井に設置したソーラー電源のロトルク電動アクチュエータ
ロトルクの電動フルターンインテリジェントアクチュエータが、米国にあるシェールガスのガス井上流に設置されました。
チョーク弁や調整弁用に設計されたロトルクIQTFアクチュエータは、石油、ガスまたはプロセス制御において正確なフロー制御を提供し、0.3%の最高精度と0.1%の最高分解能を実現しています。
東テキサス側のHaynesville/Bossier層にて、ウェルヘッドの非上昇型ロータリー式チョーク弁を調整することを目的として、IQTFアクチュエータを受注しました。Haynesville/Bossier層とは、アーカンサス南西部、ルイジアナ北西部及び東テキサスの大部分にまたがるジュラ紀の岩層です。ガス井採掘の結果、圧力や温度が低下した時に形成される液体炭化水素の混合物であるガスや凝縮物、これらの流量及び圧力を制御するために、Lufkin市付近の現場に約60台のアクチュエータが既に設置されています。各井戸に2台のIQTFアクチュエータが設置されています。さらに、お客様の在庫として30台を超えるアクチュエータの注文を承りました。
岩層にある全てのガス井は完全に自動化されており、流量及び井戸の圧力が維持されています。お客様は、井戸の寿命を極限まで延ばすため2台のチョーク弁を用いて10,000 psi から1,200 psiまで圧力を下げています。シェールガスはウェルヘッドと中流パイプラインの間で計量供給され、そこから顧客のサプライヤーやLNGプラント及び発電所等の産業へ輸送されます。
ガス井は辺境地にあるため、ソーラーシステムやバッテリーパックを用いたDC電源により、IQTFアクチュエータに動力を供給しました。このソリューションでは、油圧式アクチュエータにありがちな漏れの可能性を回避できるため、油圧式アクチュエータや空気式アクチュエータよりも信頼性の高い選択肢でした。また、テキサスは動力源として使用できるほど日光に恵まれています。なお、電動アクチュエータは油圧システムほど動力を使用しません。
別のプロジェクトでは、Eagle Ford盆地(南テキサス)の新規現場(坑井)向けに、60台のIGTFアクチュエータを受注しましたが、ここでも、1つの坑井に2台ずつアクチュエータが設置される予定です。Permian-Delaware盆地における石油及びガスといった資産だけでなく、Eagle Ford盆地やHaynesville盆地での採掘により、お客様は、テキサスとルイジアナで、石油相当量にして1日あたり190,000バレルを生産することができるのです。
ロトルクの軽量・小型のIQTFアクチュエータは高速かつ正確なバルブ制御を提供し、1時間あたりの始動回数は1,800回です。これは、主要パイプライン内が圧力過剰にならないために、井戸の流量しきい値を小さくする必要があることを考慮すると、重要な要素です。万一、短時間に大量のガスが抽出されると、貯蔵庫が破裂したり、地表に水やガスが染み込む程の裂け目が発生する恐れがあり、生産量が減少する恐れがあります。
ロトルクサイトサービス(RSS)が最終の試運転調整や製品保証を担当すること並びにロトルクが初回の試験及び校正のサポートを行うこと、こうした条件もまた、お客様が弊社の製品を選択するキー要素となったでしょう。
IQTFアクチュエータは、ロータリー式バルブ、リニア式バルブ、ステム上昇式バルブに取り付けることが可能です。(アクチュエータとの取り合いはISOまたはMSS規格に準拠)
本アクチュエータは、無人の辺境地のガス井に設置されても、永久的な内部潤滑システムにより、その信頼性が保証されています。このシステムは、使用温度が-50~+70 °C (-58~+158 °F)のオイルを使用しているため、気温が氷点下になることがほとんどない東テキサスの環境には最適です。
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