ロトルクの歩み
2020年代
2020年1月1日に、ロトルクは、市場別の新体制へと移行しました。それ以前は、ロトルク・コントロールズ、ロトルク・インストゥルメンツ、ロトルク・ギアーズ、ロトルク・フルードシステムズの4部門体制でしたが、石油&ガス、水道&発電、化学処理産業(CPI)の新体制へと移行したことにより、お客様との戦略的関係に焦点を当てて、直接お客様ニーズを満足することが可能となりました。
ロトルクのサービス体制もまた、ライフタイムマネジメントのリリースに伴い、大幅に変更されました。ライフタイムマネジメントとは、ロトルクサイトサービス部門の一括サービスであり、老朽化資産に係るリスク管理と、信頼性の高い稼働をサポートするものです。2021年1月には、高度な状態監視及び解析により突発的な中断を削減すべく、クラウドベースの資産管理システムであるインテリジェント・アセット・マネジメント(iAM)をリリース致しました。2022年初頭には、IQ3 SETのリリースにより、IQ3が1960年代の製品と互換性を持つようになりました(後方互換性)。IQ3 SETは、旧式アクチュエータを最新のインテリジェントアクチュエータのプラットホームに交換し、陳腐化の問題を管理するものです。2022年6月には、新規に90°回転用モデルであるCKQを追加し、CKレンジ モジュラー型電動アクチュエータの製品ラインアップ拡張しました。
2023年初頭には、ロトルクは、現場資産の信頼性向上のための新サービス「段階別信頼性向上サービスプログラム」をリリース致しました。2023年5月には、スキルマチックSI 自立型電油式アクチュエータシリーズに、小型且つ堅牢タイプの90°回転用モデルを追加いたしました。
8月には、新型IQ3Proと「Rotork」アプリをリリースし、同アプリによるIQ3Proの設定が可能になりました。同月、ロトルクは、小型バルブ及び計装用バルブ向けの小型電動アクチュエータメーカーであるHanbayを買収しました。
2024年初頭には、IQT3FProの高速モードや、パートターンモデルの速度の個別設定((開・閉それぞれに別々の速度を適用)、さらにはマルチターン及びパートターンアクチュエータの閉ループ制御等の新機能が加わりました。
2010年代
2011年だけで6件の新規買収を行い、計装・制御ソリューションの取り扱い範囲が拡大しました。
新しいアイデアやイノベーションが続々と登場しました。2012年には、業界で最も堅牢且つ抜群の信頼性を誇るIQ3をリリース致しました。また、2015年には、モジュラー型電動バルブアクチュエータCK(モジュールは在庫保有可能)をリリース致しました。さらに、2019年には、ロトルクマスターステーションがリリースされました。このマスターステーションは、使い易いインターフェースを用いて、インテリジェントコントロールセンターから1つのループネットワーク内のアクチュエータ最大240台を操作することができるものです。
ロトルクは、引き続き、進化と拡大を遂げました。当社は、進歩の促進とお客様支援のため、常に革新を続けており、様々な産業及び市場の流体、ガス、固体のフロー制御に先駆的、高品質且つ信頼性の高いソリューションを提供しています。
2000年代
新しい1000年の幕開けには、上海に営業所を設置し、IQMk2(非貫通、インテリジェントマルチターンアクチュエータ)をリリース致しました。2002年には、1995年の販売会社設立に引き続き、マレーシアにロトルクマレーシア製造会社を設立致しました。また、中国、ドイツ、日本、ブラジル、中東にも新規営業所を開設致しました。
この時期に多くの買収を行いましたが、これにより、ロトルクのフロー制御製品・サービスの新市場への参入が加速しました。なお、買収先企業は、英国のSkilmatic社(革新的な電油式フェイルセーフアクチュエータの開発のため)、イタリアのOmag社(イタリア国内のバルブ製造業界に戦略的に参入するため)、スウェーデンのRemote Control社(空気式アクチュエータ及び制御システムの製品ラインアップの拡張のため)等です。
1990年代
1990年代は益々海外進出が盛んになった年代です。ロトルクは、1991年にはオランダに、その後1993年には香港とベネズエラに拠点を設立致しました。さらに、1995年にはロトルク北京を、1997年にはロトルクマレーシア販売会社とロトルクタイを、さらに1998年にはロトルクモスクワ、1999年にはロトルクジャパンを設立致しました。このような海外進出の後、ロトルクは、18か国に子会社を設立しました。1999年には、ロトルクはイタリアのFluid Systems Srl社を買収し、これをきっかけにフルードパワーアクチュエータ業界に参入致しました。また、1993年には、減速機会社であるExeeco社の買収を完了し、ロトルクギア部門への更なる投資を開始致しました。
1992年には、IQレンジのリリースにより、大幅な革新を遂げました。電動アクチュエータIQは電気部のカバーを取り外すことなく試運転調整が可能なため、高湿度や危険場所での試運転調整が可能となりました。
1980年代
1980年代も、積極的に新規営業地域に進出した年代です。カナダ、スペイン、シンガポール、韓国、オーストラリアに新規営業所を開設し、これによって、ロトルクは産業用フロー制御分野で最大規模の企業となりました。
1983年には、電子制御回路を備えた初代シンクロパックアクチュエータ「Aレンジ1600シリーズアクチュエータ」をリリース致しました。その後、1985年にはAQレンジ(Aレンジ1600シリーズ対応の90度回転用アクチュエータ)が、1986年にはアクチュエータ専用の初代バス制御システムであるPakscanがリリースされました。
1970年代
1970年代における、 ロトルクにとっての劇的な成長は、ダブルOリングシールを開発したことです。このダブルシールは、アクチュエータ内部への水の侵入を防止するという革新的かつ革命的なアイデアでした。このアイデアは、ロトルクの創設者であるJeremy Fryが中東に出張中に遭遇した出来事にさかのぼります。彼は、昼間と夜間の気温差により、アクチュエータ内部に湿気が発生することに気付きました。ダブルシール構造は、この出来事がきっかけとなって生まれた設計ですが、この設計ではシール層が2層であるため、1層では不可能な方法で内部回路を保護することができます。なお、この構造は、今日でも採用されています。
1971年にはロトルクイタリアを設立し、これによって、欧州市場でのロトルクの存在感がより強固なものとなりました。また、Best & Crompton of India社との合弁事業によって、新たな機会も生まれました。1970年代末までには、ドイツ及びインド国内に営業所を増やし、また、米国Evans社の買収により北米でのロトルクブランドの拡大に成功致しました。
1960年代
1960年代はロトルクフランスの設立と、AレンジSyncropak(標準制御回路を備えたマルチターンアクチュエータ)のリリースにより幕を開けました。フランスの原子力庁との契約は、ロトルクが、欧州や米国に請負業者やバルブメーカーを持つ有力企業としての地盤を固める上で追い風となりました。
1961年には、英国バースにBrassmill Lane製造工場を建設し、現在でもここがロトルクの本社となっています。ロトルクは、米国BabylonにRotork Inc.を設立(1967年)、島津とのライセンス契約、非公開有限責任会社から公開有限会社への変更(1968年)、ElectroPower Gears社の買収(1969年)など、1960年代後半も成長し続けました。
ロトルクは、1968年に Rotork Controls Ltdとして、ロンドン証券取引所に上場致しました。
1950年代
1957年、Rotork Engineering Company Ltdは、初代アクチュエータ100Aをリリースし、商取引を開始しました。1959年には、100A Mk2をリリースし、これによって、設計が強化され、開弁操作を電動化することに成功しました。このような会社形成期に、ロトルクはクウェートの石油会社からの受注を開始し、これがきっかけとなって、Essoの製油所との契約やシェルからの大規模な注文に至りました。