シカゴの浄水プラントのバージョンアップのため、ロトルク電動アクチュエータが設置される
米国国内における水濾過プラントのバージョンアップの一環として、数百台ものIQ電動アクチュエータ(マルチターン及びパートターン用)と減速機を設置しました。
City of Chicago Department of Water Management(シカゴ市水道管理局)に300台を超えるIQアクチュエータ(IW90°回転用ウォーム減速機搭載)と200台を超えるIQT90°回転用アクチュエータを提供し、Eugene Sawyer浄水場の既設水圧シリンダーをこれらアクチュエータに交換しました。Eugene Sawyer浄水場は、以前はSouth Water Purification Plant(南部浄水場)として知られていましたが、元シカゴ市長のEugene Sawyer氏に敬意を表して、2016年にEugene Sawyer浄水場に改名されました。なお、本浄水場は、シカゴ市民に飲料水を供給しています。
ロトルクアクチュエータは、サンドフィルターを通過する水の流量を制御する12~30インチのバタフライ弁を正確且つ効率的に操作しています。
ロトルクアクチュエータは、12~30インチのバタフライ弁を操作し、本施設のサンドフィルターを通過する水の流量をより正確に制御します。
ミシガン湖の水は湖岸付近の汚染箇所から離れた取水口から汲み上げられ、Eugene Sawyer浄水場に輸送されます。
浄水場に運び込まれた水は、ロトルクのIQアクチュエータが制御する30インチのバルブを通過してサンドフィルターに到達します。なお、このIQアクチュエータはサンドフィルターが常時満杯になるよう、調整も行っています。サンドフィルターに到達した水は、砂層や砂利を通過し、IQTMアクチュエータ(IQTパートターンアクチュエータの調整用モデル)を搭載した12インチのバルブに制御されて、滅菌井に送られ、完全な水道水にした後、市民に供給されます。
なお、上記の制御以外にも、IQアクチュエータは逆洗及び排水プロセスの制御を、IQTアクチュエータは表面洗浄水の流量制御を担当しています。
ロトルクのアクチュエータは制御インターフェースが分かり易く、使い易いという理由により設置されることとなりました。IQアクチュエータは先進的なバックライト付きディスプレイを搭載しており、強化ガラス製の表示窓により保護されています。また、本ディスプレイは開度表示部が大きく、-50℃までの温度に対応しています。この多言語対応のドットマトリックスディスプレイには設定、状態及び診断データが表示されます。なお、画面の操作は、現場操作ノブか本質安全Bluetooth設定器Proにより行います。
ロトルクサイトサービス(RSS)によるアクチュエータの保守サポートが、IQ3及びIQT3の安定した受注の鍵となり、RSSが全アクチュエータの初期設定はもちろん、40年~70年間使用し続けているバルブに、溶接部、配管、カップリング付きのオーダーメイドブラケットの取り付けも行いました。これらのバルブの多くは何度も交換されていますが、最新の基準を満たしていませんでした。そのため、RSSチームは、オーダーメイドブラケットが現場に到着後、このブラケット更に改造しなければなりませんでした。
IQ3マルチターン電動アクチュエータのダイレクトドライブでのトルクは10~ 3,000 Nm (10~2,200 lbf.ft)です。このアクチュエータは非接触アブソリュートエンコーダー(最大8000回までの出力軸の回転を測定可能)により、信頼性の高いバルブ制御と開度検出を実現します。IQTのアブソリュートエンコーダ(冗長タイプ)は非接触式であり、セルフチェック機能を有していますので更に正確に開度を検知することができます。
IQ3は防水仕様のダブルシール構造であり、IP66または68を満たしています(水深7m下に72時間)。
IQT3パートターンアクチュエータはIQ3と多くの特長を共有しており、電源は単相、3相及びDCから選択可能、且つ、毎時1200回までのオンオフまたはレギュレーティングデューティを実行します。IQTのモジュレーティング専用モデルであるIQTMの場合、毎時始動回数は最大1800回です。なお、IQT及びIQTMのいずれのモデルも出力トルクは50~3,000 Nm (37~2,214 lbf.ft)です。
RSSは、修理、試運転調整、保守、更新等、抜群の現場サポートを提供しており、熟練のサービスエンジニアがこれら全てのサポートを担当しています。ロトルクの世界各地のワークショップにて、アクチュエータの更新、修理、動作試験が可能です。また、RSSが予防保守のサポートやプロジェクト管理により、計画中断をサポートすることも可能です。
IQアクチュエータに関する詳細はこちらを、IW 90°回転用減速機に関する詳細はこちらをご参照下さい。