ロトルクの革新的なバルブアクチュエータがオーストラリアのクリーンLNGプロジェクトに提供される
ロトルクのフロー制御製品は、オーストラリアにおける「クイーンズランド炭層ガスから液化天然ガスへ」という巨大プロジェクトで使用されることとなりました。現段階で、電動、電油式、空気式、ガスオーバーオイル等、様々なタイプのバルブアクチュエータ5000台の注文を受領しています。
Queensland Curtis LNG、Santos GLNG 、Australia Pacific LNGの3つのプロジェクトでは、Surat盆地及びBowen盆地にて炭層ガスの開発を行っています。クイーンズランド本土の天然ガス生産井とCurtis島に建設中の世界最大級のLNG生産プラントは、数百キロのパイプラインで接続される予定です。なお、Curtis島に建設中のLNG生産プラントでは、年間2700万トンを超える輸出用LNGを生産する見込みです。
これら3つの炭層ガスプロジェクトでは、二酸化炭素排出量が石炭の半分であるクリーンで効率的なエネルギー源に重点を置いています。
本土にある上流のウェルヘッド向けには、合計2000箇所のプロセスバルブを制御するために、HART通信対応のモジュレーティング用電動アクチュエータCVAを提供しました。
CVAアクチュエータは天然ガスだけでなく、炭層内から採取した水の流量も制御することになります。このような資源は、国内の水供給を補うだけでなく、農業及び工業分野の顧客にも提供されます。
CVAアクチュエータは繰返し性の高い連続モジュレーティングを行います。また、オプションでフェイルセーフ機能(フェイルセーフ位置の設定が可能)を搭載しています。分解能、繰返し性及びヒステレシスは0.1%未満(フルスケール)であるため、最も過酷な調整弁アプリケーションに最適です。多々あるCVAの特長の中で特に際立っているのは、ガス自体の圧力が低く、アクチュエータの駆動に必要な動力源を提供できないような辺境地においても、計器用空気を必要としないため、それに関する費用を節約することができるという点です。また、CVAはバルブの作動中に、大気中に環境に有害なガスを放出しないという点でも支持されています。
調整弁、遮断弁、ウェルヘッドスキッド及びメータリングスキッド向けには、1000台のスキルマチック電油式アクチュエータSI及びEHを受注しました。これらの自己充足型アクチュエータは、電動アクチュエータのシンプルさと利便性、油圧式アクチュエータのモジュレーティング精度、更には機械式フェイルセーフ動作の信頼性を兼ね備えています。
スキルマチックアクチュエータは、SIL3での使用に適しており、セーフティクリティカルなアプリケーションで使用することができます。また、部分ストロークテストの設定が可能であるため、通常のプロセスに支障をきたすことなく、バルブの動作試験を実施することができます。
電動アクチュエータの提供は、IQが最後となりますが、このIQにより多種多様な遮断弁を自動化しました。全てのロトルク製電動アクチュエータは、先進的且つユーザーが操作し易い非貫通(カバーを取り外すことなく設定や調整が可能)技術を搭載しており、更には、データロギング、診断、資産管理の機能も搭載しています。
一方、パイプラインや、Curtis島のLNGプラント向けには、フルードパワーアクチュエータを受注しました。このうちの大部分は、LNG生産ラインのバタフライ弁を操作するための空気式アクチュエータ(CP、GP)でした。これらのアクチュエータに関しては、SIL2及びSIL3等、特殊な作動用途に適合するように、カスタマイズされています。
また、GOレンジのガスオーバーオイルアクチュエータも提供しましたが、これらの多くはメインのパイプラインの遮断弁に取り付けられました。GOアクチュエータは、パイプラインのガスの圧力を動力源としています。また、内蔵の制御機能により、安全関連等、様々な業務が容易になりました。
オーストラリア、中国、シンガポール、イタリア、米国の営業所を股にかけたロトルクのグローバルな販売網がこの度の成功に大いに貢献しました。ロトルクの場合、製品が異なっていても契約の窓口がシンプルであるため、様々な拠点に生産を手配することができ、また、世界中のお客様に納期どおりに商品をお届けすることができるのです。オーストラリア拠点は、クイーンズランドのプロジェクトを完璧に支援するため、より大きな施設に移転しました。