ウォーターアドベンチャーのアクチュエータをロトルクのインテリジェント電動アクチュエータにアップグレード
イングランド北東部のWhite Water Centreでは、ロトルクのIQ3アクチュエータが、フロー制御システムの改善と近代化を実現しました。
Tees Barrage International White Water Centreとは、スポーツ及びアクティビティ施設であり、ホワイトウォータラフティング、カヌー、カヤック、パワーボート、パドルドを体験することが可能です。同センターは、ストックトン=オン=ティーズのティーズ川にあるTees Barrage公園の観光名所の一部です。
1995年にオープンしたTees Barrageは、河川上流の水位を維持することにより、この地域の開発と改善、そして、ティーズ川の娯楽利用を目的として建設されました。Tees Barrageの管理は、既存制御システムの性能の改善を支援するプロジェクトを請け負った慈善団体である、Canal & River Trustが行っています。
同施設のペンストックは、水路に河川水を供給する、満潮時に海水がTees Barrage公園に侵入するのを防止する(white waterの利用者にとって、海水は好ましくなく、設備の腐食に繋がります)、Tees Barrage公園に流れ込む水の水位を維持し荒天時の洪水を防止する、といった役割を果たしています。交換前の制御システムは油圧式であり、信頼性が低いことが証明されていました。同システムは、複数のリニア式油圧シリンダーと1つの油圧電源パックから成るシステムであり、トルク保護やデータ・状態監視機能はなく、位置フィードバックにも制限がありました。このため、ペンストックのスピンドルの故障やオイル漏れが発生し、突発的なメンテナンスが必要となることもありました。また、使用していた電源ケーブルは、アクチュエータ5台に電力を供給するには容量不足であり、最新の規制を満たすためのアップデート(更新)が必要でした。
お客様は、ロトルクのフラグシップ製品であるIQ3インテリジェント電動アクチュエータにアップグレードすることを選択されました。 IQ3アクチュエータは高い密封性と防水性(水の侵入に対する保護)を備えています。また、同アクチュエータの筐体はダブルシール構造(IP66または68)であるため、水アプリケーションに最適です。お客様は、一体型データロガーから過去の性能データを取得することが可能であること、正確な位置・トルクの検出が可能であること、一体型の制御システムであること等、IQ3がもたらす沢山のメリットに感動されました。 IQ3アクチュエータは総ランニングコストが低額であり、高い信頼性・可用性を備えているため、稼働中断のリスクを減らすことが可能です。
ロトルクが提供した新システムには、機械的インターフェースと電動制御システムの両方が含まれています。 モドバスTCP通信(三菱のPLCによる)対応且つ耐衝撃仕様のカバーを備えたIQ3アクチュエータ、ロトルクIB減速機、電源/制御ケーブル、台座、配電スイッチ、イーサネットスイッチ、これらすべてを現場に提供しました。.ペンストックの1本及びそのアクチュエータは近づきにくい場所にあるため、ロトルクサイトサービスがリモートハンドステーション(RHS)を提供しました。RHSとは、最長100mの距離からアクチュエータを制御できるもので、IQと同じ画面を採用しています。
現在では、IB減速機を搭載したIQ3アクチュエータ(トルクは、最大7,604 Nmまで上昇)がペンストックを操作してTees Barrage International White Water Centre (TBIWWC)内の水位を制御しており、それに加えて、満潮時に公共の施設や場所で洪水が発生していないことの確認も行っています。また、ペンストックはwhite water centre内でメンテナンスを実施するための隔離ポイントでもあります。現場評価後に証明されたロトルクのエンジニアの専門性が功を奏し、ケーブルの配線(点検、動作試験、取り外し・取付)や、ペンストックの修理、アダプタの設計・製造・取付など、様々な製品及びサービスの受注に繋がりました。
なお、足場の設置、セキュリティ、現場でのプロジェクト管理は、AmcoGiffen社が担当しました。
IQ3の詳細は、こちら