世界最大のフロー計器校正施設にバルブアクチュエータを設置

  • 部門: 石油及びガス - 下流
  • カテゴリー: 電動アクチュエータ , フルードパワーアクチュエータ , 減速機&アクセサリ   , 制御ネットワーク 
  • 製品: IQ - Standard, IQT - Part-Turn, RC200, IW Motorised, Pakscan

概要

Euroloop社の自動研究&試験施設の稼働には、ロトルクのアクチュエータと制御システムが必要不可欠です。同現場は、2つの別々の工業規模の閉ループ試験回路に分かれており(1つは液体メータ用、もう1つはガスメータ用)、閉ループという回路の性質上、季節の影響を受けることがないため、1年中稼働させることが可能です。ロトルクは、ガス試験施設に85台の電動アクチュエータを、液体メータ試験施設に43台の空圧式アクチュエータを提供しました。


概要

EuroLoop社はロッテルダムのNew Meuse川の近隣にあり、石油&ガス産業で使用する工業用流量計の校正、確認、タイプ試験や、プロセス技術及びフローも含めた工業実験を行う世界最大の研究試験施設となります。

同プラントは2つの別々の工業規模の閉ループ試験回路(1つは液体メータ用、もう1つはガスメータ用)から成り、真新しい自立型の施設(広さは200 x 100であり、施設内には制御ルーム、会議室、研修センターがあります)にあります。

EuroLoopは完全自己完結型であり、外部要因から独立して稼働し、校正機能の可用性を最大限まで高めます。


チャレンジ

EuroLoop社の2つの閉ループ校正回路は、別々のプロジェクトとして構築されたものであり、各回路には異なるバルブ駆動技術を採用しています。さらに、ATEX Zone 1防爆プラントの作動パラメータは、最大60barの圧力で、最大30インチの配管サイズで流量は毎時最大30,000㎥である等、非常に厳しいものです。


ソリューション

マスターメータの循環システム(タービンと超音波流量計から成るシステム)だけでなく、圧縮機、熱交換器、ガスホルダー及び潤滑システムも含めたガスメータ用回路には、パックスキャン2線式デジタル制御機能を搭載したロトルクのインテリジェント電動アクチュエータ(IQ及びIQT)を使用しています。大型ボール弁の操作のため、IQアクチュエータにはロトルクのIWウォーム減速機が取り付けられています。IQTはダイレクトドライブの90度回転用アクチュエータです。

安全が最も重要です。そのため、設置した事実上全てのボール弁はダブルブロック&ブリード設計であり、重量は最も大型のもので8トンです。漏れに対する対策は、正確な計量及び安全には必要不可欠です。

EuroLoop社の他のプラントは、液体メータの校正用であり、3つの循環システムで構成されています。そのそれぞれが大小の回路から成り、ポンプ及び冷却器とと一緒に、様々なサイズのマスターメータを搭載しています。この回路は、マスターメータの校正用またはピストンに対して直接試験するために、2台のピストンプルーバーのうちの1台に接続することが可能です。作動パラメータは、最大10barの圧力で最大流量5,000㎥/時です。この回路の事実上全てのバルブはバタフライ弁であり、ベルギー国内のロトルク代理店であるProdim SA社が提供したスイッチボックスとポジショナを搭載したロトルクのRC200空圧式アクチュエータにより操作を行っています。

両プラントは完全に自動化されており、ガスプラントには85台の電動アクチュエータが、液体プラントには43台の空圧式アクチュエータが必要です。今年中にプラントが本稼働すると、年間で、最大1500台のガスメータ及び600台の液体メータの試験が可能となります・

高度な制御

制御側では、安全上の理由から2基のシステムは互いに接続されていますが、それぞれの校正回路には異なる構成が採用されています。

伝統的に、液体回路の43台の空圧式アクチュエータはハードワイヤードですが、ガス回路のそれを上回る台数の電動アクチュエータが、最新のパックスキャンP3マスターステーションに接続された単一のパックスキャン2線式バスネットワークからスケールメリットを享受することができます。このマスターステーションは、次の段階の制御、即ち、プラントの動作の圧力及び温度パラメータを制御する安全PLCに繋がっています。これには約800の入出力などの複雑な一連のタスクが含まれ、過剰圧力の防止及びその他安全関連用途だけでなく、校正に必要な測定作業も行います。

故障があればこの段階で検知され、回路が即座に遮断されます。同時に、PLCが液体回路上の安全PLCと通信を行い、液体回路も閉鎖して、緊急時でも確実にプラント全体の完全性を確保します。PLCの設計と、フローコンピュータや、PCベースのSCADA及び(EuroLoop社のプラントの稼働を監視する)校正管理システムの設計は、2社のオランダ企業(ガス設備はSpirit IT社、液体設備はKrohne Oil & Gas社)が担当しました。

バルブアクチュエータの日々の操作は完全に自動化されていますが、HMIステーションからの現場操作も可能です。また、パックスキャンマスターステーションでは、バルブアクチュエータのアドレスを個別に指定して、操作することも可能です。

EuroLoop社の環境への取り組み

一般的に、測定や校正の質が高ければ高いほど、環境への負担が少なくなります。適切な測定により、より多くの製品が要求基準を満たすことができるため、無駄を減らすことができます。また、結果的に、製造プロセスの監視も容易になります。

質の高い測定は、環境面だけでなく、経済面でもメリットをもたらします。年間で、数百万㎡の石油・ガスが、世界の石油&ガスネットワークを経て、生産、輸送、供給されています。測定値が、コストと収益の基礎となるため、僅かな誤差でも数百万のコスト差が生じることがあります。そのため、測定器を最高水準まで校正することは、経済的な面においても重要なのです。

バルブアクチュエータ及び制御機器の発注先をロトルク1社に統一したことは、EuroLoop社のプロジェクトにとって、更なるメリットがありました。EuroLoop社のエンジニアであるWim Volmer氏は次のように説明しています。「我々は、ロトルクを選定する以前に、購入する機器のメリット、そして勿論、費用対効果の面で、様々なサプライヤーを検討しました。例えば、ロトルクのIQアクチュエータは、本プラントでは必須ではないものの、バルブの診断機能を搭載しているため、バルブの保守を簡素化することができ、プラントのオペレータにとっては非常に有用です。さらに、パックスキャン2線式制御システムは低額で設置することが可能であり、迅速な試運転調整の手助けとなります。また、同システムは、アクチュエータとプラントのSCADAシステムとの通信を中継する専用の、高信頼性システムです。

「ロトルクのロッテルダム営業所及びワークショップが近隣にあることは、実用性と物流面を考慮すると、非常に有益です。ロトルクでは、事実上全てのIQアクチュエータをワークショップで取り付け、工場にて試験を完了した上で現場に提供することが可能でした。また、英国とスウェーデンにあるロトルクの工場では様々なアクチュエータ製品を製造していますが、同社のオランダ拠点は、文字通り、当社の現場まで適任のサービス担当者を派遣し、現場サポートを提供して下さいます。」


詳細情報

顧客名: EuroLoop(オランダ)
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